今回は、十三からは少し遠方になる滋賀からのお客様です。
『買ったばかりのMacBookProが、画面が正常表示しなくなった･･･』と問い合わせを受けました。
ここで、『retinaディスプレイ』なのか否かの確認が必要になります。というのも、液晶割れなどで液晶交換になった場合、前者なのか後者なのかで見積もりが大きく変わってくるからです。
お聞きしたシリアル番号から判明したのですが、残念ながら今回は前者に該当していました。
『retinaディスプレイ』は画面映りが非常に綺麗で、薄型ではありますが、割れやすく高価なのです。
液晶割れの恐れがあることと、おおよその見積もりをお伝えしたところ、修理を依頼する方向で一度マシンを持ってご来店いただくことになりました。
後日ご来店いただき、早速マシンの状況を確認します。
パッと見は割れているようには見えなかったのですが、電源を入れるとこんな感じです（お客様のマシンを写真に収めるのを忘れてしまったため、イメージになります）。
正面向かって右上に圧力によるヒビ割れが確認出来て、画面全体に横線が入り、画面表示の内容が認識出来ない状況です。
ここでもう一点必ず確認しなければならないのですが、割れが生じた圧力の強さによって『上半身まるごと交換』の必要があるかないかです。
落下などでボディごと歪んでしまった場合は、液晶交換をしてもボディの歪みが原因で割れが再発する可能性があります。この場合は『上半身まるごと交換』になります。
また、高い圧がかかることによって、液晶の裏側にあるバックライトを発光させる5～6層からなるシートが傷ついてしまっている場合も、『上半身まるごと交換』になります。もちろん、お茶こぼしやコーヒーこぼしの場合、シートの汚れが発生し、『上半身まるごと交換』となってしまいます。
※ちなみにですが、液晶交換のみに比べて上半身まるごと交換はパーツ代がプラス2万円ほどになります。
『上半身まるごと交換』か否かは一旦液晶をはがしてみて、シートの状態を確認する必要がどうしてもあります。その旨をお客様にお伝え、いったんマシンをお預かりし、状況がわかり次第ご連絡する事になりました。
翌日、シートの状態を確認するため液晶をはがす作業に入ります。
液晶をはがすにあたって、液晶の部分である上半身を本体から切り離します。
切り離した状態が以下画像の通りです。
次にヒートガンで、液晶を貼り付けている粘着部分を温め、はがし易くしてから、粘着部分にヘラを少しずつ入れていき、薄い液晶パネルをはがしにかかります。
うまくはがさないと、割れた液晶の破片がバックライトのシートに付着し、傷や取れない汚れになってしまいます。ですので、可能な限り綺麗にはがした方が、時間も手間も短縮できます。
今回ははがす際に既に液晶の割れが大きかったため、うまくいきませんでした。ですが、慎重に割れた部分を取り除き、時間はかかりましたが、シートを汚すことなく全ての粘着部分をはがす事が出来ました（以下画像の通り、液晶の割れた残りがくっついたままです。これは後で綺麗に取り除きました）。
この時点でフィルム部分は傷が無く、綺麗な状態であることが確認できました。
お客様に連絡、『上半身丸ごとではなく、液晶部分のみの交換で済みそうです』とお伝えし、見積もりもお伝え、そのまま修理の了承をいただきました。次は液晶の発注です。
今回は海外からの取り寄せです。比較的納期が早く、発注から納品まで中４日で届きました。
これが到着した液晶パネルです。発注どおり、液晶パネルのみ在中、バックライトのシートは付属していません。
早速動作確認です。稀に初期不良がありますのでその際は業者に返品、交換を依頼します。今回は正常動作を確認できましたので、そのまま取り付け作業にうつります。
バックライトのシートと液晶の間に埃が入ってしまいますが、エアーダスターで念入りに吹き飛ばします。
作業完了後、以下の通り画面が正常表示されています。難易度の高い修理作業を完了し、私もホッと一安心です。
MacBookProのretinaディスプレイは、先にもお伝えしたように『綺麗に映るし、薄い』反面、『高価で割れ易い』という一面も持っています。
修理依頼の多い機種となり、当店においても交換依頼が多数あり、様々なケースに対応してきました。
買って間もなく割ってしまった、何とか安く直したい、とお困りの方は是非一度当店までお問い合わせください。柔軟に対応させていただきます。
※メーカーの修理価格と比較して、当店では半額以下で対応可能な場合があります。加えてデータの削除は一切行いません（起動確認のみ実施、データは触りません）。
