久しぶりにブログを書きます。

ちょこちょこ依頼があって修理を実施してるのですが、ブログを書く習慣って中々身に付かないもんですねぇ。

『滝壺にiPhoneを落としてしまった。最初は起動していてたが、何度か触っているうちに、起動しなくなった。どうしても取り出したいデータがある』とのご依頼をいただきました。機種はiPhone6sです。

水没の場合は、状態によっては復旧や修理が不可の場合が多いため、お客様には『だめもとぐらいで考えておいてください』とお伝えします。

ですがとにもかくにも、まずは診てみないとわからいので、とりあえずは診断です。

当初は動いていたとの事なので、良く乾いていない状態で起動して使い続け、残っている水からショートして起動不可なんてこともあります。

ひとまずは、水没してから1週間以上経過しているため、電源が入るかどうかを試します。

※水没後、すぐに電源を入れてはいけません。少なくとも2~3日は何もせず置いておき、よく乾かしてから電源を入れるようにしてください。

水没したiphone6-1

こちらがお預かりした本体、確かに何をしても起動しません。

が、サイドに位置しているマナー切り替えスイッチをマナーオフにして、電源ボタンを押して数分待つと起動音がしました!そこで、パソコンに接続すると、パソコン側でiphoneを認識しています!

ということは、『iphoneは起動するけど、画面が映っていない』という結論に達します。

ここからの確認作業は以下になります。
①水没なので、中の基盤が焼けていないか、腐食していないかを確認する。
②フロントパネルを交換して、画面が映るか確認する。

早速フロントパネルを取り外して、中を確認すると・・・、

水没したiphone6-2

まずは、マーカーが赤になっている事が確認できます。ご存知の方も多いかと思いますが、これは内部が水濡れした事を指します。

また、所どころに腐食がみられます。水没で内部に水が入り、乾いたもしくは焼けた事をあらわしています。

続いてフロントパネルをメインボードから分離させるため、コード(3箇所)を取り外します。

取り外して、拡大した写真が以下になります。

水没したipone6-3

マーカーの右下に3箇所フロントパネルの差込口があるのですが、一番マーカーに近い部分が腐食しています。おそらくではありますが、見た目から焼けています。

この状況で本体は起動しているので、別の正常動作するフロントパネルに交換して画面表示されるかどうかを試します。

が、表示されませんでした。おそらくタッチの反応も無い状況です(画面が見えないのでタッチの反応があるかどうか確認が出来ない)。

ということは、『メイン基盤側の画面表示(おそらくタッチも)のコネクタ部分が焼けて破損している』という結論に至りました。

残念ではありますが、お客様には当店では修理が厳しい事(基盤修理が出来るところに依頼をお願い)、本体そのものは起動しているので、パソコンに接続して認証が出来ればデータは取り出せますとお伝えし、診断料のみいただきご返却させていただきました。

万が一『水をかぶせてしまった』『水の中に落とした』といった場合は、すぐにご連絡ください。連絡が早ければ早いほど、復旧の確率が高まります。

 

補足

ちなみに、ituneがインストールされているパソコンで一度でも認証した事のあるiphoneであれば、ライトニング⇔USBケーブルでiphoneとパソコンを接続、iphoneの中のデータは確認できます。

ですが、認証していなければ、以下写真のとおり(別の機種での写真)、iphone側のタッチによる認証が必要になります。

水没したipone6-4

ですので、今回の場合のようにタッチがおそらく反応していない場合は、現状認証する手段がなく、データを見る事は不可能です。