年末が近づくと、修理の依頼も増えてきました。

今回は、『デスクトップパソコンを操作していたら、突然ジーという音と共に電源が落ちてしまい、次に電源ボタンを押しても起動しなくなったのですが・・・。直せますでしょうか?』と当店のご近所様からのお問合せでした。

何処に問題が発生しているか確認するため、まずは何より診断です。

早速電源コードをつないで、電源スイッチを入れてみます。

通常であれば、電源ランプのボタンの所が白く点灯するはずが、オレンジ色で点滅します。

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加えて、通常デスクトップの場合は電源周りのファンの音が聞こえるはずなのですが、全く聞こえません。

これらの症状から、電源周りを疑ってかかる事になりますので、正常な電源ユニットをつないで起動できるかどうかを試します。

写真の一番下の銀色の部分が、電源ユニットと呼ばれるパーツになります。

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今回のマシンは、グラフィックボードが増設されているデスクトップでした。

上記写真の電源ユニットの直上にある、黒い細長いパーツがグラフィックボードですが、これを取り外さないと電源ユニットのメインケーブルを外す事が出来ません。

増設されたグラフィックボードですが、最近のデスクトップは箱が小さい事もあり、取り外しが困難な場合があります。取り外しの際は基盤が割れないように最新の注意を払い取り外します。

グラフィックボードを抜いて初めて、電源ユニットとマザーボードをつなぐ一番大きな線が見えてきました。下の写真左上の青い部分にグラフィックボードが刺さっていました。
右下の白い大きいコネクタが、電源ユニットとマザーボードを繋ぐ線になります。

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今回は線の抜き差し(ボタン電池の着脱含む)や最小構成での起動でも、正常起動には至りませんでしたので、次は正常な電源ユニットを繋いでどうなるかを試します。

在庫パーツに正常動作する別機種の電源ユニットがありますので、それに交換後、グラフィックボード、ハードディスク等を繋ぎなおしてパソコンを起動します。少しわかりづらいですが、下写真右下の銀色のボックスが正常動作する電源ユニットです。

Windowsの正常起動を確認出来ました。

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これで、電源ユニットに問題があった事を確認出来ましたので診断は完了です。お客様に修理のご了承をいただき、パーツを発注します。

パーツは純正の新品を発注したのですが、海外からの取り寄せになりましたので、思ったよりも届くのに時間がかかってしまいました(お客様はご了承済み)。

こちらが届いた新品の電源ユニットになります。早速交換作業開始です。

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問題のある電源ユニットを取り外しました。

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新品の電源ユニットをはめ込み、線を全て繋ぎます。

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交換、動作確認を実施、正常動作を確認出来ました。電源ランプは白で点灯していますので正常である事がわかります。

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この後、一通りの動作確認を行いお客様に修理完了のご連絡を実施させていただきました。

今回の場合、修理費用(診断料、交換工賃、パーツ代を含む全て)は消費税込み12,000円ほどで対応させていただきました。

年末年始にかけて年賀状作成等で、普段起動しないパソコンを急に起動させる事があると思います。その際にパソコン内部に紛れているホコリで、電源周りがショートして不具合が発生し、起動出来なくなる事があります。

今回のようにパーツ交換で修理できる可能性もありますので、諦めずにお問合せください。